【Vol.8】良い断り方、断ってもむしろ好印象の距離の取り方

断り方

✅ はじめに:断り方も“距離のデザイン”の一部

職場では、ランチや飲み会など、日常的に「お誘い」の場面が生じます。 参加できない事情がある場合、断り方ひとつで相手に与える印象は大きく変わります。

本稿では、ある事例をもとに、「断ってもむしろ好印象を残せる伝え方と距離感の設計」について整理します。

📘 ケーススタディ:同期からのランチ誘いを断る場面

状況
入社3日目の中途社員が、午前中の会議で小さなアドバイスを2回求められ、周囲から「なるほど」「ふんふん」と共感を得て、一定の貢献感を得ていた。
その後、昼休みに同期からランチへ誘われたが、書類手続きの予定があり参加できなかった。

行動
社員は「すみません、今日は手続きがあるので…」と断った。

結果
同期はやや期待外れの表情を見せた(本人の主観によるものだが、罪悪感を覚えた)。
振り返ると「すみません」よりも「ありがとう」で返した方が、相手への敬意が伝わりやすかったと気づいた。

✅ コツその1:「すみません」より「ありがとう」を先に

断る際に「すみません」と始めると、相手に「迷惑をかけられた」と感じさせる場合があります。 一方で、「ありがとうございます」と感謝を先に示すことで、誘いの行為そのものを肯定できます。

👉 例:

「お誘いありがとうございます。ただ今日は手続きがあり…」

「声をかけていただいて嬉しいです!ただ、今日は控えていて…」

✅ コツその2:理由はシンプルかつ誠実に

断りの理由を長く説明すると、かえって不自然になり、余計な誤解を招くこともあります。 一言で分かりやすく、正直に伝えることが大切です。

👉 例:

「体調の関係で、昼は軽めにしているんです」

「今日は別の予定があって…」

✅ コツその3:代替案を添えて“共鳴”を残す

断ることは関係を切ることではありません。 「別の形で関わりたい」という意志を示すことで、むしろ関係が強まることがあります。

👉 例:

「また今度お茶だけでもご一緒できたら嬉しいです」

「次の機会にぜひお願いします」

🔍 心理学的補足:断り方が与える印象効果

心理学の観点から、断りの言葉には次のような影響があります。

第一声効果:「ありがとう」で始めると相手は肯定的に受け取りやすい

誠実性の原則:シンプルで率直な理由は信頼につながる

代替案効果:「また今度」と示すことで関係維持が可能になる

自己一致:無理に参加せず、自分の状態を正直に伝えることで心が安定する

リスペクトの伝播:感謝の表明は相手の自己肯定感を高め、信頼関係を深める

✅ まとめ:断りも“無害×リスペクト”の技術

– 断ること自体は悪いことではなく、成熟した距離感の一部 – 感謝を先に伝えることで、断っても好印象を残せる / 理由はシンプルに、代替案で余白を残す –と、関係はむしろ安定する

静かに働きながらも、相手を尊重しつつ自己一致を守る。
その姿勢こそが、Quietな距離の取り方であり、信頼を長期的に積み重ねる力になります。

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Presented by NAGOMI(なごみ しずる) / 距離のデザインサポート

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