はじめに
変えられない相手、変わらない組織、空気で動く文化……。そんな「構造」に対して、私たちは無意識のうちに“なんとかしなきゃ”と、肩に力が入ってしまうことがあります。特に私は会社で異分子の視点があるため、俯瞰的に見ると新しい可能性を見いだせる意見だったとしても、そのまま伝えると、否定されることも少なくありません。
構造で見るという“静かなメガネ”をかける
重要なことが、会社や人、環境を「構造」として俯瞰する視点です。
人の価値観や意見はそれぞれの経験値で構成されます。それ自体に良いも悪いもありませんが、コミュニケーションの際には、成熟度により、感情というフレームが間に入ってしまい、ネガティブな否定という結果で返されることも少なくありません。
その上で、同じ土俵に乗ってしまい、私達も人と感情で見てしまうと……感情が切り離しにくくなります。そこを「環境」「構造」「特性」に置き換えてみる──この視点が、Quiet Leadershipにおいて非常に大切な起点となります。
たとえば漫画に出てくるような、“人がものに見えるメガネ”をかけているようなイメージでもOKです。「この人、冷たいな」と感じたとき、実はそれは「成果主義の強い構造で育った反応」だったりします。
感情ではなく構造として捉える。そのとき、世界が静かに整理されて、少しだけ自由になります。
Quiet技術:変わらないものを超える3ステップ
Step 1|否定しない:変わらなさを“構造”として見る
まず最初に大切なのは、変わらなさを人格ではなく“構造”として理解することです。
- 上司が怒りっぽい → 「この組織では感情表現が制御されていない構造」
- 会議が長くて決まらない → 「合意型文化 × 誰も責任を取りたくない構造 × 組織として未成熟な構造」
こう捉えると、「ああ、だったら当たり前だよね。だって組織の構造自体が未成熟なんだし」と納得し、「なんでこんな人たちばかり…」と感情的に嘆く気持ちが、少し俯瞰できます。
🧭 Tips – 静かな問いかけ:この状況は“誰か”?それとも”構造”?
Step 2|距離を置く:巻き込まれず、でも消えない
変えようとするほど苦しくなるのが「変わらない構造」。そこでは、共存ではなく“静かなバウンダリー”が有効です。
- 無理に改善提案を出さない
- 相手の機嫌に合わせない
- でも最低限の礼儀と存在感は保つ
これにより、“空気を乱さず、でも自分は傷つかない”というQuietなスタンスが生まれます。
🧭 静かな対応例:
- 「そういう意見もありますね(=でも私は巻き込まれません。以降意図的に沈黙💦)」
- 「この件、私は一歩引いて見守らせていただきます(以降意図的に発言を控える💦)」
Step 3|超えていく:自分の中で完結し、前に進む
否定せず、巻き込まれず、そのまま置いていく。それが、Quietに「超える」という選択です。超えるとは、闘うことではなく、「自分の人生の手綱を取り戻すこと」と考えています。
- 仕事は変えられなくても、自分の“存在の質”は選べる
- 場所は同じでも、自分だけ別のテンポで生きていい
- 上を目指すのではなく、自分が気持ちいいと感じられる場所を追及する
おわりに:静かな選択こそが成熟の証
変わらないものに出会ったとき、私たちは2つの選択肢を持てると思います。私もずっと行ったり来たりしていましたが、
- 変えようとして消耗する
- 静かに距離を置き、相手を変えずに超えていくことで自由になる
静かな距離感は、後者を選ぶ技術です。否定ではなく、観察。反発ではなく、距離。停滞ではなく、静かな越境です。今日もまた、静かに自分の場所を選びながら進んでいければと思います。同じように思う方と、一緒に共感できれば嬉しく思います。
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